最近のトラックバック

フォトアルバム

時計

  • ネコ温度計

天気予報

  • 天気予報
 

Feed

2010年3月24日 (水)

イノセント・ゲリラの祝祭

イノセント・ゲリラの祝祭

バチスタシリーズの4作目。
文庫本が出たので早速購入。
でも今回は、これまでと比べ、明らかに毛色が違う。

前作もそうだったけど、今回は殺人事件はおろか、最早ミステリーですらない。
ただバチスタシリーズなので、死亡時診断(A.I.)がテーマではあるのだけど、その国としての取り組み方について、半ば不毛な議論が繰り広げられる様子が描かれてる。

本来なら、どうにも地味でつまらない話だと思うし、独立したお話とはいえ、シリーズをこれまで読んだ事がなければ、とっつきは悪いだろう。
そうでなく、私のようにシリーズを読んできた人間なら、なんだかんだで楽しく読める話になっている。
海堂尊、恐るべし。
この作者は、本当にV字上昇で文章力が増してると思わずにはおれない。
それプラス、登場人物達の魅力もある訳で。(やや誇張されたキャラではあるけれど)
物語自体は、この後に続くお話のプロローグ的な感じで終わるんだけど、まあ区切りとしてはこれも良しかな。
そもそもが現実の医療問題とリンクしてる分、この先を書くとファンタジーになってしまいかねないし。
ただお馴染みの登場人物達の未来がこの先どうなるか、ほんの少し予感させる内容になっている。

そうはいっても、映画化はほぼ無理だろうなぁ。
話が地味過ぎるので。(海堂尊)

2009年9月29日 (火)

カムナビ

Kamunabi

オーパーツともいえる、超高温でなければ作い得ないブルーガラスで出来た古代土偶の謎を追っていく内に、古代日本の未だ解明されてない謎に迫っていく…といったお話。

大仕掛けな娯楽SF小説を書かせたら、天下一品なこの作者。
今回は、日本の邪馬台国をテーマにした物語と、いつもと違ってノンフィクション的色彩に最初やや面食らった。
というより、日本史の謎を探るといったかなり硬派な内容で、星野之宣ばりの内容に、ちょっと拍子抜けしてしまったのが正直な所。
展開も地味で、いつもと違うなぁ…と思ったのは上巻まで。
下巻からいきなりいつもの?ケレンミ溢れる展開に。
特にクライマックスは急転直下のごときど派手は展開(笑)。
でも、主人公がもう1つ積極的性格でないがゆえに、この作者のこれまでの作品に感じた、突き抜けるような盛り上がりはなかったかなぁ…。

相当下調べしてるのは、読んでてすごく感じるところで、歴史小説としては、この上なく派手だとは思う。
でも作者のこれまでの作品のようなエンターテイメント志向な小説としては、やや地味な印象もある。
それも、この作者への期待が大きすぎるが故なのかもしれないけど。

それよりこの本が出版されたのが1999年で、以後今日まで大作を書いてないのが残念でならない。
不況とはいえ、これ程の作者が新刊を出せてない(?)世の中って、おかしい。

2009年4月26日 (日)

イニシエーション・ラブ

友人から強く薦めらて、読んでみた。
ミステリー作家の書く、トリック小説らしい。
ラスト2行で大どんでん返しが起こると、裏表紙にも書かれた文言が、俄然興味を引く。
内容は、'80代のあるカップルの恋愛模様を描いた、何てことはないお話。
どんでん返しが起こるという言葉を期待して、最後まで読んではみたものの、最後まで読んで・・・だから?というのが正直な気持ち。

内容的に、色々複線は貼ってはあったけど、むしろ肝はその体裁というか構造に仕掛けが施された。
でも基本的なお話自体がつまらないという印象は如何ともし難く、ギミックが凝ってたからといって、取り立てて感動も感心もしなかった。
そもそも複線を張りまくった小説なんて、他に幾らでもある訳で。
まあ構造的に凝ってるのは間違いないんだろうけど、凝り具合でいえば、先日読んだ“新しい太陽の書シリーズ”なんかの方が遥かに凝ってる。

せめてお話自体がもう少し面白ければなあ。(以後、ネタバレな余談)

続きを読む »

2009年4月12日 (日)

ホルモー六景

Horumo_rokkei正直、この本の存在は最近まで知らなかった。
そもそも私が鴨川ホルモーを読んだ後、軽く薦めた友人がそれを読んだ後に見つけて買い求め、お返しとばかりに私に貸してくれたのがこれ。
タイトルの通り、六つの短編集で、鴨川ホルモーのサイドストーリーとなっている。

でもここにある短編は、本編と違って、どれもあまり笑いを志向していない。
むしろ叙情性の強い、ラジオドラマにでもなりそうなさわやかな小品ばかりで、そこが私としては少し物足りない。
最初の「鴨川(小)ホルモー」こそ笑える話だったので、期待して読み進めてみれば、ええーっ?てな感じで。
しかも短編なのに続編を想起させるような話まであるのだけど、どれも半ば無理矢理話を広げてるような感じで・・・。
作者絶対この先は考えてないだろうなぁ。

そんな感じで、映画だけ見た後でこれを読むと内容的に辛いと思うけど、原作を読んで気に入った人なら、変に期待しなければファンブック的には楽しめると思う。
(本書はあくまで原作の外伝的な本なので、映画の続きにはあまりなってないのだ)

続きを読む »

2009年4月10日 (金)

うそうそ

Syabake_5シリーズ5作目にして、ようやくの長編物。
2作目以降、ずっと短編が続いてたので、久々の長編を期待してたのだ。
読んでみると、今回は湯治に出かけた若だんな一行が巻き込まれた事件簿といったお話で、登場人物も多く、かつそれぞれの思惑が入り混じった感じのドタバタ劇な趣向になっている。

こういう冒険記のようなお話が駄目というつもりはないけれど、私はどちらかといえばミステリー風味なお話の方が好きかなあ。
そもそもこのシリーズ、ここまで時は少しづつ進んではいるけれど、人間関係に本質的変化を来すほどでもないので、少々マンネリも感じてきたなあ。
今回も、展開がちょっと強引だなと思える感じもしたし。

そろそろ何か大きなアクションを起こす必要があるのではないのかなと思う今日この頃。

続きを読む »

2009年3月28日 (土)

鴨川ホルモー

Horumo

京都を舞台にしたこの本には、以前から興味があり、一度読んでみようと思ってた。
そんな折、先に同じ作者の「鹿男あをによし」がTVドラマ化され、見たらこれがえらく面白い。
続いてこちらも映画化が決まり、それに合わせて文庫になったのを機に、買い求めた。

鴨川ホルモー…タイトルからその内容を想像できる人はまずこの世にはいまい(笑)。
京都在住の大学生のお話で、基本的にはユーモアファンタジーとでもいうべきか。
主人公は、プライドが高い割には、その実片思いに悶々としているキャラ。
個人的にはちょっとシンパシーを感じるのだけど(笑)、ただ小説の主人公としてはあまり魅力的なキャラとも思えず、読むペースも序盤なかなか上がらなかった。
それが、途中から一気に展開していく。
いきなり急展開し過ぎだろと思いつつ、それにしても主人公の周りの人物は結構魅力的で、特に高島は私的ツボ過ぎるキャラ。
彼がこの小説の笑いを一手に担ってるといっても過言じゃないでしょう(笑)。

お話自体は荒唐無稽だけど、出てくる登場人物達はみな現実にいそうなキャラばかりで、妙にリアリティを感じてしまう。
特に、かつて京都で学生を謳歌してた人なんかが読むと、猛烈なノスタルジーに襲われるんじゃないか。
まあ例えそうでなくても、小説の面白さが半減する事はないけれど。
軽いお話なんだけど、割と余韻を残すいい読後感があった。

この後、映画も公開されるし、そちらも楽しみだなぁ。 

2009年3月15日 (日)

ねこのばば

Nekonobaba

前作の「ぬしさま」を読んだときは、このシリーズの先行きにちょっと不安を感じたけれど、本作で結構持ち直した感がある。
ひとえに六篇から五篇に減らしたせいではないかと思う。
いつもはほほんとした話が多いのだけど、今回はちょっとホラーっぽいのあり、しんみりするのありと、色々作者も工夫を凝らしてる。
でもここまで読んで、基本的にこのシリーズはミステリー路線で行くんだなというのはほぼ見えた。
妖(あやかし)が絡んでくるミステリーというと、どうしても京極夏彦が思い出されるけど、ちょっと毛色が違うし、何よりこちらが断然読みやすい。
ほぼライトノベルといってもいいかもしれない。
でもただのドタバタになってないのがいい。
取り合えず、あと2冊かぁ。

2009年3月 8日 (日)

ぬしさま

syabake_2

一作目の「しゃばけ」の続編という事で期待して読んだけど、正直ちょっと肩透かしを食らった感じ。

本作は六編の短編からなっていて、各々お話もそんなに捻ったものはない。
大体が毎回小さな事件が起って、若だんなが妖(あやかし)の協力を得て、事件を解決するといったミステリーもの。
それ以外は、前作「しゃばけ」のサイドストーリー的なもので、単独の本としては何とも印象が弱い。
それこそ、ちょっとしたファンブックのような感じもする。
次を読むのがちょっと不安になってきたぞ。 

2009年3月 5日 (木)

しゃばけ

Shabake

こんなに面白い小説だったとは…。

日本ファンタジーノベル大賞受賞作という事で、以前から注目はしてたけれど、所詮は優秀賞(=次点)。
過去に読んだ他の優秀賞受賞作の印象からも、まあ過度な期待はせず読み始めたのだけど、そんな気持ちはあっさり裏切られた。

江戸の町を舞台に、この世に住まう妖(あやかし)達が何故か見えてしまう、大店の病弱な若旦那を主人公にした、ファンタジーなのにミステリー仕立てで、しかもどこかコミカルなお話。
妖(あやかし)を、いわゆるキワモノとして書いてない所もいいけれど、何よりこの世界に生きる江戸の町の様子が、読んでて生き生きと脳裏に浮かんでくる。
大賞を取れなかったのは、ライトノベル的ともマンガ的とも思えるこの軽いテイストと、際立つ個性の希薄さゆえかな。
それはそれで間違ってるとは思わないけれど、ただこれが受賞後、今に至るまで人気シリーズとして続いているのは、どこか胸のすく思いもしてしまう。

それにしても作者って、元マンガ家だったのね。
ほんと読んでて情景がまざまざと目に浮かぶのは、そのせいなんだろか。
とりあえず、このシリーズはまだまだき続きがある。
楽しみだなあ。 

2009年3月 3日 (火)

ジェネラル・ルージュの凱旋

Jeneral

読み終える前に、映画を先に見てしまったけれど、特に問題はなかった。
というのも、原作とは結構展開が違ってるので、どちらから見ても、そしてどちらから先に見ても、多分どちらも楽しめる。
でも、やはり原作は偉大だ。
内容が、映画よりずっと緻密。
(というより映画は、キーパーソン的な登場人物を余りに端折りすぎ)
原作は特に、二作目の「ナイチンゲール~」と、完全に内容が対になっているので、そちらを先に読んでると、二倍楽しめる。

この三作目まで読んで改めて分ったのは、これは東城大学付属病院を中心としたお話のシリーズであって、作者は必ずしもミステリーにこだわってないんだなと。
少なくとも今回は、いわゆる殺人事件の類は一切なかった。(ここら辺が映画とは違う)
但し、会話主体の読みやすいキャラクター小説でありつつ、日本の医学界のヘビーな問題を扱ってるのは相変わらずで、お話はダイナミック。
そして、何より読んでて痛快。
派手さはないけれど、個人的にはこれがシリーズで一番エンターテイメント性が高いと思う。
(但し四作目は未読)

http://tkj.jp/general/