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2009年2月18日 (水)

ナイチンゲールの沈黙

Nightin

先日映画化もされた「チーム・バチスタの栄光」に連なるシリーズの一遍。
そもそも、間もなく公開される予定の続編「ジェネラル・ルージュの凱旋」を公開前にと読んでたら、実はそれはシリーズ三作目で、二作目は別にあると知った時、既に「ジェネラル~」上巻(文庫版)を8割方読んだ後だった。
どうしたものかと迷ったが、やはり一旦そちらを中断して、二作目のこっちを先に読む事に。

読み始めて驚いた。
この二作目は、三作目「ジェネラル~」と同じ病院内で同時進行で起ってる話だったのね。
各々主人公こそ違うものの、登場人物はかなりかぶっているし、折々に同じ場面も当然のように出てくる。
まだ作家としてのキャリアは短いのに、よくこんな複雑な話を書き上げたもんだと感心する。
しかも作者、「バチスタ」の頃より文章が達者になってるのが感じられるし。

ただ正直、ミステリー小説としては、微妙な印象もある。
決定的な違和感は、一作目の「バチスタ」と違い、このお話がSFやファンタジーの要素も含んでいる点。
前作のような硬派なミステリー小説を期待して読むと、失望する人も多かろう。
二作目を飛ばして、あえて三作目を映画化した理由も、そこら辺に理由があるのかなと推察してみたり…。
ただ私のように、このシリーズをキャラクター小説だと認識してた人にとって、この物語の持つダイナミックな展開には、一定の満足感は得られた。
とにかく、このあと読む予定の三作目がいよいよ楽しみになった。

http://tkj.jp/nightingale/

2008年7月13日 (日)

シャドウ・パペッツ

Puppets ビーンが主役のシリーズ3作目。
どうやらこのシリーズは全四巻らしいのだけど、現在日本で発売されているのはこの本(第3巻)まで。
読み進めるのを惜しみつつ、ゆっくり読んだ。

物語は前巻の続きで、中国を中心とした世界大戦の様相を呈しつつ、アシルが着々と自分の野望を上り詰めようとしていく。
そういった状況下にあって、ビーンとペトラのラブラブぶりは、予想してたとはいえかつてない展開で若干戸惑う(笑)
方や、ピーターの両親(つまりエンダーの両親でもある訳だけど)がこれほど活躍するとは思わなかった。
ヴィッギン家のそれぞれの人となりが分って、楽しめた。

戦争の方は、色々風呂敷を広げながらも、意外とあっけなく収束する。
それなりにリアリティは感じさせるものの、ちょっと無理があるように思える部分もあったかな。まあ許容範囲だけど。
ひとまずバガー戦役(エンダーズ・ゲーム)から続いた騒動は、この巻で一応ケリはついた。
次の最終巻では、恐らくビーンとピーターの2人の人生を語る、いわばシリーズのエピローグのようなお話になるんだろうと思う。
楽しみだけど、原書が出てから数年経つのに、未だ発売予定がないなんて。
よもや、予定だけで昨今噂がぱたりと途絶えた映画待ち?(オースン・スコット・カード/早川文庫)7/13

2008年5月18日 (日)

砂時計 (全10巻)

C9ylqjq8 映画を見て、これって原作コミックだとどうなの?と少し気になり、ネットカフェで一気読み。
全10巻というのは知ってたけど、実際は全8巻で、後り2巻は番外編だったのね。

少女漫画だった。
映画のようなシリアスさはさほどでもなく、昼ドラにもなった事から、もっとドロドロな恋愛ドラマがあるのかと思ってたらそういう事もなく、むしろややコミカルで、軽さがあった。
でも根っこにあるテーマは、初恋であって、そこら辺まさに少女向けだなと。
きっちり描けてるとは思っても、私にとって、さして面白いお話じゃなかった。

意外だったのは、映画は原作を思ってたほど端折ってなかった事。
映画じゃほぼ触れられなかった、藤兄妹絡みのエピソードが多かったのは、まあ予想通り。
意外だったのは、主人公杏のお父さんが再婚し、子供まで作ってた事。
大人になってからのエピソードは、原作でもあまりなかった事。

でも、映画は母親の死をよりクローズアップした事で、原作と雰囲気は大きく変わってしまった。
完成度はそれなりに高いと思うけど、まず原作ありきで見る人にとっては、受け入れ難いものだったかも知れない。
でも私は、あえて言えば、映画版の方がしっくりくる。(芦原 妃名子/フラワーコミックス)

2008年4月15日 (火)

拷問者の影

Newsun1 “新しい太陽の書”という四部作のシリーズ第一作目。
シリーズとして、世界幻想文学大賞・ネビュラ賞・ローカス賞等を受賞しており、相当面白いらしいと噂を聞いていたので、入手してみた。

異世界を舞台に、拷問者という、何とも陰鬱な職業の少年が主人公のこの本は、彼が若かった頃の回想録という形で書かれている。
とにかく、世界観が相当に異質で、それを細部まできっちり構築されている。
それだけに、こちらも想像力をフルに働かせて読まないと、話についていけなくなりそうで、取っ付きはかなり悪い。
ほんとにこれが面白い本なのかと、かなり疑念を持ちながら、のろのろ読んでた。
それが、徐々に状況が見えてくるにつれ、むしろその濃密な世界観に何時の間にか引き込まれてしまった。
とにかく先が読めない。
話もなかなか先に進まないんだけど、それがむしろ面白いと感じてしまう。

早川SF文庫なので、最初ファンタジー要素のあるSF小説と思ってたら、むしろSF要素を少し含んだファンタジー小説だったという印象。
ただこれだけ分厚く、文字もびっしりな本一冊費やしても、世界の全容はまるで見えてこないし、話も途中で終わってる。
何だかこの作者、物凄い世界を構築してそうな?

ところで、そんな濃密かつ膨大な世界なので、ちょっとでも知識を整理したいと、この本について書かれたページを少し覗いてみた。
・・・皆、話の核心を、何の配慮もなく普通に書いてるしsad
ちょっと見てしまい・・・この物語の凄さの一端を知ってしまいました。

因みにこのシリーズ、今月から表紙を小畑 健(デスノートの人)に代え、新装版として発売されるそうな。
もし、これからこの小説を読むのなら、シリーズ最後まで読み終える前に、世界観の理解を深めようと、検索なんてしない事を、強く強くオススメする。(ジーン・ウルフ/早川文庫)

2008年4月 1日 (火)

シャドウ・オブ・ヘゲモン

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エンダーズ・シャドウ」の続編で、シャドウシリーズの二作目(上下巻)。
前作でバガーとの地球存亡をかけた戦いが終わった事で、今度は国家間での争いがくすぶり始め、それにビーン達も否応もなく巻き込まれていく…といったお話。
今回は、第三次世界大戦ともいえる内容になっている。
後書きを読むに、どうも作者は戦争に関わる人の感情や動機を内包した、歴史モノを書きたかったらしい。
近未来のお話とはいえ、現実に起ってもおかしくないシチュエーションで、SF小説とは言えないような印象すら感じさせる。
ただエンターテイメント性は高い。
特に下巻は怒涛の展開で、一気に読みきった。

前作がビーンの一人称のお話だったのに対し、今回はビーン、ペトラ、ピーターの3人の視点が随時入れ替わる、ザッピング形式になっている。
想像するに、今後の展開として、主人公がビーンからピーターに移行する(もしくは2人が主人公になる)布石かなと勘ぐってみたり…。
いずれにしても、このシリーズは抜群に面白い。

しかし、作者がコンピューターゲームの三國志が好きだったとは…。理解できてるのかな?(オースン・スコット・カード/早川文庫)

2008年2月18日 (月)

ただ栄光のためでなく

Wvv9vepo アメリカで、オイルマンとしてのし上っていく一人の日本人の、ノンフィクション小説。
昔、友人から強く勧められ、買ったはいいけど、長らくほったらかしにしてたもの。

作者は、これが小説としてのデビュー作らしく、確かに文章はそれほど流麗な感じはないけれど、読みやすくはある。
それにしても、ノンフィクション小説という事で、もっと記録小説かそれに類する物語だと思ってたんだけど、まさかここまでバリバリのエンターテイメント小説だったとは…。
'70年代末の話という事で、時代背景の古さはあるものの、そういう事に関係なく面白い。
昨今何かと話題の、石油問題の一端が垣間見えると共に、「サラリーマン金太郎」以上の、ど派手で波乱に満ちた人間ドラマが展開されいく。
ただ、そのあまりにドラマティックさに、これがノンフィクションとは、ちょっと信じ難い。
(実際、内容に現実と矛盾するor根本的に間違った記述があって、発表当時から疑問視する声が多いそうな)
ただ一方で、当時こういう事は実際あったかも知れないなと思わせる、説得力はすごくある。
恐らく、虚実入り混ぜて書いてるんじゃなかと思ってるのだけど???(落合信彦/集英社文庫)

2008年1月 8日 (火)

エンダーズ・シャドウ

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傑作。
「エンダーのゲーム」を別人物(ビーン)の視点で語り直すという趣向自体面白いと思うけれど、そんな期待を越えてた。
同じ話を単純にトレースしているのではなく、あくまでビーンの物語として成立していて、先の「エンダー〜」の補完的内容や外伝的お話で終わってない。
だから物語もより重層的だし、先の展開は分ってるのに先が読めない。
また、その人生の過酷さにおいて、ビーンはエンダーに負けず劣らず凄まじい。
そしてその天才ぶりも。

1つの独立したお話になってるけれど、この物語は先に「エンダーのゲーム」を読んでた方が絶対に面白い。
そして読んだ人なら多分、何気ないシーンでもぐっと来るものがある(はず)。

“ゲーム”以降、どちらかといえば文学的ウエイトが大きかった同シリーズで、久々にSFエンターテイメント性の高い、スカッとさせる内容。

そして“ゲーム”以後の地球のお話は、ここからビーンを主役に続いていくようで、何にも増して嬉しい限り。(オースン・スコット・カード/早川書房)

2007年12月18日 (火)

チーム・バチスタの栄光

Swlc_ylo 近々映画も公開されるらしいこの小説。
流行に便乗して読んでみた(笑)。

病院を舞台にした一人称のミステリー小説。
読み易いけれど、これといった驚きもなく、坦々と話が進んでいく。
それが下巻で、大転換が起る。
小説が半ばを過ぎてから、真の主人公が出てくるなんて(笑)。
しかもそこからは雰囲気も一変し、ややドタバタコメディ的展開も見せつつ、事件はあっさり解決する。
そして、やけに冗長なエピローグ。

ややあざといとも思ったけど、登場人物はみな個性的で、映像化しやすいだろうなとはまず思った。
そして医療犯罪を扱った、一般人には興味深い話でもある。
でもちょっと食い足りなかったなぁ。
せっかく読者目線に近い主人公なのに、読者が事件を推理するための条件を全て提示されなかった事もそう。
何より、内容も文章も軽い。
医療現場の抱える問題を指摘する、硬派なメッセージも入ってるのに、これといった感慨を残さないのは、作者の筆力のせいだろうか。
まぁそれも本格推理小説を期待してたがゆえの残念感なんだけど。
でもこの軽さ、とっつきの良さが、逆に大衆受けする必須要素なのかもなあ。

にしても、単行本1冊の話をどうして文庫で2冊にするかね。
元々文章量も多くないのに・・・ちょっとやな感じだなあ。(海堂尊/宝島文庫)

2007年12月 3日 (月)

投資顧問 (遙かなる地平1)

N79mn67o エンダーシリーズの外伝というべき短編があるのを知ったのは全くの偶然だった。
「遙かなる地平1」(ハヤカワ文庫)なるアンソロジー本に入ってるなんて、普通の読者には分らないって。
本屋で確認してみると確かにあった。
30分もあれば楽勝で読めてしまう短さなので、そのまま立ち読みする(汗)。
「投資顧問」とはエンダーシリーズらしくないタイトル。
これはエンダーが20才になって納税義務が発生する事で起るちょっとしたドタバタで、色々とシリーズの内容を補完するエピソードが含まれている。
意外にタッチも軽くて読みやすい。
ほんと、エンダーシリーズは短編に至るまでお話の雰囲気が毎回違うのな(笑)
シリーズを読み続けてきた者としては、結構楽しめた。

でも、幾ら有名作家達の有名作品の外伝を集めたアンソロジーとはいえ、この短編がこのシリーズを未読の人には殆ど楽しめない内容なのは間違いないだろう。
こういう形で別の本に掲載するのはどうかと思うなあ。
もしくはこの短編を「エンダーの子どもたち」のおまけとして転載する配慮はあって良かったんじゃないのかなぁ。(オースン・スコット・カード / 早川文庫)

2007年11月10日 (土)

エンダーのこどもたち

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間をあけつつ読み続けてきたエンダーサーガの、これが最後の物語。

過去3作品は、各々テイストがかなり違った物語だったけど、でもこの4作目に限っては、これまでのような強いテーマ性は感じられず、前作「ゼノサイド」の純粋な続編とも、あるいはシリーズ全体のエピローグ(クライマックス?)編ともいえそうな、ある種普通なお話に、若干肩透かしを食らった印象はあった。
といっても、大きな不満がある訳ではない。
やや強引な展開だなと思った所はあったけど、相応の山場も用意しつつ、綺麗に大団円で終わりを迎えている。
特に終盤の宇宙遊泳シーンの台詞なんて、ウイットが効いてて、ニヤッとしてしまう。
ただ1つ引っかかったのは、このお話での日本の扱い。
作者の後書きを読むと、作者が日本についてそれなりの勉強をし、また遠藤周作や大江健三郎に多大なる思い入れがあるのが伺える。
そのせいか、やや強引に日本をこの物語の重要な要素として組み入れようとした印象がある。
しかもそこで描かれる日本が、幾ら超未来とはいえ、日本人の目から見て余りに違和感があり過ぎる。
例えば日本人の植民星の名前が「神風」で、民族の心の拠り所が「大和魂」だなんて、なんて西洋人的(苦笑)。
せめて、書く前に誰か生きた日本人に直接アドバイスを受けて欲しかった。

そしてシリーズは、これで一応の終わった訳だけど、ただどうもまだ続きそうな余地を残してるのが気になる。
デスコラーダの謎がまだ解明されてないのもそうだし、新たな主人公となるべき人物も既に登場しているし…(笑)
でも、とりあえずはもう1つのスピンオフシリーズであるシャドウシリーズを読まないと。(オースン・スコット・カード / 早川文庫)